羽毛ふとんはどうやって選べばいい?種類・ダウンの違いについて解説

羽毛ふとんはどうやって選べばいい

羽毛ふとんは、軽さと高い保温性を兼ね備えた寝具として、多くの家庭で選ばれています。

一方で、羽毛の種類や中身の配合、表示の違いが分かりにくく、どれを選べばよいか迷う方も少なくありません。

上質な睡眠環境を整えるためには、羽毛ふとんの基本構造や特徴を正しく理解することが重要です。

本記事では、羽毛ふとんの選び方について解説します。

羽毛ふとんとは?

羽毛ふとんとは、水鳥の胸元などから採取される羽毛を中材に使用した掛けふとんです。

内部に多くの空気を含む構造を持ち、体温で温められた空気を逃がしにくいため、軽量でありながら高い保温性を発揮します。

素材や構造の違いによって、暖かさや耐久性、価格帯に差が生じます。

羽毛ふとんの中身は「ダウン」と「フェザー」

羽毛ふとんの中身は、主にダウンとフェザーで構成されています。

ダウンは球状の形をしており、空気を多く含むため保温性に優れています。

一方、フェザーは軸を持つ羽根で弾力性があり、ふとんの形状を支える役割を果たします。

それぞれの配合比率によって、寝心地や価格が変わります。

羽毛ふとんが暖かい理由

羽毛ふとんはダウンが作る空気層に体温によって温められた空気が羽毛の間に留まるため、外気の影響を受けにくくなります。

この断熱構造により、薄くても効率よく熱を保持できます。

羽毛ふとんに使われる羽毛の種類

羽毛ふとんに使われる羽毛の種類

羽毛は採取される水鳥の種類や成長段階によって特性が異なり、軽さや保温性、耐久性にも差が生まれます。

それぞれの特徴を理解することで、用途や予算に合った羽毛ふとんを選びやすくなります。

こちらでは、羽毛ふとんに使われる代表的な羽毛の種類をご紹介します。

ダック

ダックダウンは、主にアヒルから採取される羽毛で、価格を抑えた羽毛ふとんに多く使用されます。

保温性は十分にありますが、ダウンの粒が小さく、グースと比べると耐久性はやや控えめです。

グース

グースダウンは、ガチョウから採取される羽毛であり、耐久性が高いことから、長期間使用しやすい点が特徴です。

ダウンボールが大きく、空気を多く含むため、軽さと保温性に優れます。

マザーグース

マザーグースは、成熟した親鳥から採取される羽毛で、ダウンが非常に大きく、復元力にも優れています。

少量でも高い保温性を発揮し、軽やかな掛け心地が得られます。

アイダーダックダウン

アイダーダックダウンは、北欧に生息する野生の水鳥から採取される希少な羽毛です。

優れた保温性と通気性を兼ね備えた、最高級素材として知られています。

羽毛ふとんの中材の違い

同じ羽毛ふとんであっても、中材の構成によって寝心地や価格帯が大きく異なります。

以下にて、羽毛ふとんの中材の違いについて解説します。

ダウン

ダウンは水鳥の胸元に生える球状の羽毛であり、軽量で体への負担が少なく、包み込まれるような寝心地が特徴です。

枝分かれした構造を持ち、多くの空気を含むため、高い保温性を発揮します。

ダウンの配合率が高いほど、保温性と軽さが向上する傾向があります。

スモールフェザー

スモールフェザーは軸が短く小ぶりな羽根で、適度な弾力があることから、ふとん全体の形状を安定させる役割を果たします。

ダウンと組み合わせることで、保温性とボリューム感のバランスが取れます。

比較的価格を抑えた製品に用いられることが多い素材です。

ラージフェザー

ラージフェザーは軸がしっかりした大きめの羽根で、反発力の高さによりボリューム感を出しやすい一方、ほかの中材と比較すると重量がやや増します。

耐久性を重視した仕様で採用されるケースが見られます。

「羽根」と表示されている製品の特徴

中材表示で「羽根」と記載されている場合、フェザーの割合が高い傾向があります。

弾力性はありますが、ダウン主体の製品と比べると保温性や軽さに違いが生じます。

ゴールドラベルとは?

ゴールドラベルとは

ゴールドラベルとは、日本羽毛製品協同組合が定める基準に基づき、羽毛ふとんの品質を示す表示制度です。

羽毛の種類や清浄度、ダウン率などが検査され、基準を満たした製品のみに付与されます。

ラベルには複数のランクがあり、一般的にランクが上がるほど、使用される羽毛の品質も高くなります。

品質の目安として活用できる一方、寝心地や用途とあわせて総合的に判断することが重要です。

ダウンパワーとは?

ダウンパワーとは、羽毛がどれだけ膨らむ力を持っているかを数値で示した指標です。

一定量のダウンに圧力をかけ、その復元力を測定することで算出されます。

数値が高いほど空気を多く含みやすく、少ない量でも高い保温性を発揮します。

一般的に、ダウンパワーが高い羽毛ふとんは軽量で、体に沿いやすい掛け心地が得られます。

暖かさだけでなく、使用感や耐久性を判断する際の目安として活用できます。

がわ生地(側生地)で寝心地は大きく変わる

羽毛ふとんの寝心地は、中材だけでなく、がわ生地(側生地)によっても大きく左右されます。

がわ生地は肌に直接触れる部分であり、触感や通気性、羽毛の吹き出しにくさに影響します。

素材としては綿やポリエステル、テンセルなどが使用され、それぞれに特徴があります。

綿は吸湿性と肌触りに優れ、快適な使用感が得られます。

ポリエステル混素材は耐久性が高く、取り扱いやすい点が特徴です。

がわ生地の織り密度が高いほど、羽毛が外に出にくく、長期間の使用にも適しています。

用途や好みに合わせてがわ生地を選ぶことで、睡眠時の快適性を高めることにつながります。

キルティング構造の違いと特徴

キルティング構造の違いと特徴

羽毛ふとんの暖かさや体へのフィット感は、キルティング構造によっても左右されます。

キルティングは、羽毛を区切って固定するための縫製構造で、羽毛の偏りを防ぐ役割があります。

こちらでは、代表的なキルティング構造の特徴をご紹介します。

二層キルトとは

二層式キルトは、上下2層のキルトをずらして縫い合わせている2階建て構造です。

縫い目が重ならないため、熱が逃げにくく保温性が非常に高い点が特徴です。

保温性を重視する方に向いた構造で、コールドポイント(熱が逃げる部分)が少ないため、寒冷地や冬用の羽毛ふとんに多く採用されています。

立体キルトとは

立体キルトは、上下の生地をマチでつなぎ、箱状の空間を作る構造です。

羽毛が均一に膨らみやすく、ボリュームを保ちやすい点が特徴です。

保温性を重視する方に向いた構造で縫い目部分からの熱逃げを抑えられるため、多くの羽毛ふとんに採用されています。

平キルト(タタキキルト)の特徴

平キルト(タタキキルト)は、上下の生地を直接縫い合わせるシンプルな構造です。

羽毛の膨らみは立体キルトに比べて控えめですが、肌掛ふとんなど薄めの羽毛ふとんに適しています。

軽量で扱いやすく、通気性に優れている特徴を持っていることから、使用する季節や室内環境に応じて選びましょう。

【用途・季節別】羽毛ふとんの選び方

同じ羽毛ふとんでも、保温性やボリュームの違いにより、快適さに差が出ます。

用途を明確にしたうえで選ぶことで、過不足のない寝心地が得られます。

以下にて、季節別の羽毛ふとんの選び方について解説します。

冬用の羽毛ふとんの選び方

冬用の羽毛ふとんは厳しい季節に対応するため、高い保温性が求められます。

ダウン率が高く、ダウンパワーの数値が高い製品は、少ない量でも暖かさを確保しやすくなります。

また、二層キルトや立体キルト構造を採用したものは冷気の侵入を抑えます。

春・秋向けの羽毛ふとんの選び方

春や秋は気温差が大きくなりやすい季節のため、ボリュームを抑えた羽毛ふとん(合掛ふとん)は適度な保温性と調湿性があり、蒸れにくく快適に使用できます。

夏向けの羽毛ふとんの選び方

夏はその暑さからふとん自体が不要と考えられる人が多いと思いますが、エアコンをつけているため実は寒さを感じる瞬間があります。

ボリュームがある羽毛ふとんでは、暖かすぎて眠りを妨げる恐れがあるため、薄めの肌掛ふとんがおすすめです。

オールシーズン対応の羽毛ふとんの選び方

オールシーズン対応を考える場合は、肌掛け用や合い掛け用として使い分ける選択肢もあります。

たとえば、夏は肌掛けだけ、春秋は合掛け、冬は2枚重ねといったように使い分けることができます。

価格帯別で見る羽毛ふとんの選び方

羽毛ふとんの選び方

羽毛ふとんの価格は数万円から数十万円以上と幅広く、これは価格帯によって使用される素材やキルティング構造などが異なることが要因です。

自分の予算や求める寝心地に合わせて比較し、最適な羽毛ふとんを選定することが重要になります。

こちらでは、価格帯別の羽毛ふとんの特徴をご紹介します。

手頃な価格帯の羽毛ふとんの特徴

手頃な価格帯の羽毛ふとんは、ダックダウンを中心に使用しているケースが多く見られます。

フェザーを適度に配合することで、ボリューム感を出しつつ価格を抑えています。

日常使いとして十分な保温性を備えており、来客用や買い替えを検討する際にも選びやすい仕様です。

一方で、毎日使うメインのふとんとしては暖かさや耐久性に物足りなさを感じてしまったり、軽さや耐久性は上位モデルと比べると差が出たりする場合があるため、用途を意識して選びましょう。

高価格帯に設定されている羽毛ふとんの特徴

高価格帯の羽毛ふとんにはグースやマザーグース、希少なアイダーダックダウンが用いられています。

ダウンパワーが高く、少ない充填量でも高い保温性と軽さを実現します。

がわ生地には超長綿やシルクといった高級素材が用いられていたり、縫製にもこだわりがあったりするため、肌触りや通気性も良好です。

また、二層キルトや完全立体キルトなど羽毛が偏りにくい構造が採用されるため、長期間使ってもクタクタになりにくい点も見逃せません。

上記より、高価格帯の羽毛ふとんは寝心地にこだわりたい方や寒冷地で使う方、長く使える布団を選びたい方に適しているといえるでしょう。

羽毛ふとんのお手入れ方法と保管方法

羽毛ふとんを長く快適に使うためには、日常のお手入れと正しい保管が欠かせません。

使用中は、定期的に陰干しを行い、湿気を逃がすことで羽毛のふくらみを保ちやすくなります。

直射日光はがわ生地の劣化につながるため避けると安心です。

保管時は、十分に乾燥させたうえで通気性のある袋に入れ、押しつぶさない状態で収納します。

汚れが気になる場合は、洗濯表示を確認し、専門業者のクリーニングを検討する方法もあります。

 

関連コラム:羽毛布団は洗濯できる?正しい選択方法や干し方・注意点を徹底解説

おわりに

本記事では、羽毛ふとんの選び方について解説しました。

羽毛の種類や中材の違い、ダウンパワー、がわ生地、キルティング構造など、それぞれの要素を理解することで、用途に合った羽毛ふとんを選びやすくなります。

価格帯ごとの特徴や季節別の考え方を踏まえて比較することで、快適な睡眠環境につながります。

この記事を書いた人

1967年山梨県生まれ。
中学生の時に父親に連れられ、ドイツの展示会で初めて羽毛布団に出会う。
羽毛布団の素晴らしさに魅せられ、寝具小売業へ就職ののち、製造に携わりたい思いで工場へ転職し、日本中の問屋へ羽毛布団の卸売りを手掛ける。
その後、タキ・リビングを立ち上げ、「甲州羽毛ふとん」ブランドを展開。現在に至る。

羽毛布団の選び方